■ψの定義でVeblen関数を用いた時の定義

ψ_α(β)は、ω_α(α番目の無限基数)より小さい順序数に対して
加法、Veblen関数、ψを繰り返し適用しても作ることのできない最小の順序数である。 
ただし、ψの引数はβより小さい順序数でなくてはならない。 

以下では+の結合則を暗黙に用いず、単なる2項演算子として考える。

1.正則な表記の定義

0は正則な表記である。

α+βが正則な表記であるための条件は、
・α, βが正則な表記である
・α=φ_γ(δ)またはα=ψ_γ(δ)である
・「『β=φ_γ(δ)またはβ=ψ_γ(δ)』かつα≧β」または「β=γ+δかつα≧γ」
の全てを満たすことである。

φ_α(β)が正則な表記であるための条件は、
・α, βが正則な表記である
・「β=φ_γ(δ)かつα<γ」でない
・「β=ψ_γ(δ)かつα<β」でない
・「α=ψ_γ(δ)かつβ=0」でない
の全てを満たすことである。

ψ_α(β)が正則な表記であるための条件は、
・α, βが正則な表記である
・regcheck(β,α,β)=1である
の全てを満たすことである。

2.正則な表記への書き換え
α,β,…は正則な表記であるとする。

0+α=α
α+0=α
(α+β)+γ=α+(β+γ)
α<φ_γ(δ)のとき、α+φ_γ(δ)=φ_γ(δ)
α<ψ_γ(δ)のとき、α+ψ_γ(δ)=ψ_γ(δ)
γ+δが正則な表記でα<γのとき、α+(γ+δ)=γ+δ

α<γのとき、φ_α(φ_γ(δ))=φ_γ(δ)
α<ψ_γ(δ)のとき、φ_α(ψ_γ(δ))=ψ_γ(δ)
φ_{ψ_γ(δ)}(0)=ψ_γ(δ)

ψ_γ(δ)の中に現れるαが正則かを表すregcheck(α,γ,δ)は、
regcheck(0,γ,δ)=1
regcheck(α+β,γ,δ)=regcheck(α,γ,δ)*regcheck(β,γ,δ)
regcheck(φ_α(β),γ,δ)=regcheck(α,γ,δ)*regcheck(β,γ,δ)
α<γのとき、
regcheck(ψ_α(β),γ,δ)=1
α≧γかつβ<δのとき、
regcheck(ψ_α(β),γ,δ)=regcheck(α,γ,δ)*regcheck(β,γ,δ)
α≧γかつβ>δのとき、
regcheck(ψ_α(β),γ,δ)=0
正則な表記でβ=δとなることはない。

ψ_γ(δ)の中に現れるαを正則に書き換えるreg(α,γ,δ)は、
reg(0,γ,δ)=0
regcheck(α,γ,δ)=0のとき、
reg(α+β,γ,δ)=reg(α,γ,δ)
regcheck(α,γ,δ)=1かつregcheck(β,γ,δ)=0のとき、
reg(α+β,γ,δ)=α+reg(β,γ,δ)
regcheck(α,γ,δ)=regcheck(β,γ,δ)=1のとき、
reg(α+β,γ,δ)=α+β
regcheck(α,γ,δ)=0のとき、
reg(φ_α(β),γ,δ)=φ_{reg(α,γ,δ)}(maxphiarg(β,reg(α,γ,δ))+1)
regcheck(α,γ,δ)=1かつregcheck(β,γ,δ)=0のとき、
reg(φ_α(β),γ,δ)=φ_α(reg(β,γ,δ))
regcheck(α,γ,δ)=regcheck(β,γ,δ)=1のとき、
reg(φ_α(β),γ,δ)=φ_α(β)
α<γのとき、
reg(ψ_α(β),γ,δ)=ψ_α(β)
α≧γかつβ<δかつregcheck(α,γ,δ)=0のとき、
reg(ψ_α(β),γ,δ)=ψ_{reg(α,γ,δ)}(0)
α≧γかつβ<δかつregcheck(α,γ,δ)=1かつregcheck(β,γ,δ)=0のとき、
reg(ψ_α(β),γ,δ)=ψ_α(reg(β,γ,δ))
α≧γかつβ<δかつregcheck(α,γ,δ)=regcheck(β,γ,δ)=1のとき、
reg(ψ_α(β),γ,δ)=ψ_α(β)
α≧γかつβ>δのとき、
reg(ψ_α(β),γ,δ)=ψ_{α+1}(0)

ψ_α(β)=ψ_α(reg(β,α,β))と書き換えるのを、正則な表記になるまで繰り返す。

φ_βの最大の引数maxphiarg(α,β)は任意の順序数α,βについて定義され、
maxphiarg(0,γ)=-1
maxphiarg(α+β,γ)=maxphiarg(α,γ)
α<γのとき、
maxphiarg(φ_α(β),γ)=maxphiarg(β,γ)
α=γのとき、
maxphiarg(φ_α(β),γ)=β
α>γのとき、
maxphiarg(φ_α(β),γ)=φ_α(β)
ψ_α(β)<γのとき、
maxphiarg(ψ_α(β),γ)=-1
ψ_α(β)=γのとき、
maxphiarg(ψ_α(β),γ)=0
ψ_α(β)>γのとき、
maxphiarg(ψ_α(β),γ)=ψ_α(β)

-1+1=0とする。

3.大小関係の定義
以下で現れる順序数は正則な表記であるとする。

0<α+β, 0<φ_α(β), 0<ψ_α(β)である。

α+β<γ+δであるのは、α<γまたは「α=γかつβ<δ」のときである。
α+β<φ_γ(δ)であるのは、α<φ_γ(δ)のときである。
α+β>φ_γ(δ)であるのは、α≧φ_γ(δ)のときである。
α+β<ψ_γ(δ)であるのは、α<ψ_γ(δ)のときである。
α+β>ψ_γ(δ)であるのは、α≧ψ_γ(δ)のときである。

φ_α(β)<φ_γ(δ)であるのは、
・α<γかつβ<φ_γ(δ)
・α=γかつβ<δ
・α>γかつφ_α(β)<δ
のいずれかを満たすときである。

φ_α(β)<ψ_γ(δ)であるのは、
・card(φ_α(β))<γ
・card(φ_α(β))=γかつmaxpsiarg(φ_α(β))<δ
のいずれかを満たすときである。

φ_α(β)>ψ_γ(δ)であるのは、
・card(φ_α(β))>γ
・card(φ_α(β))=γかつmaxpsiarg(φ_α(β),γ)≧δ
のいずれかを満たすときである。

ψ_α(β)<ψ_γ(δ)であるのは、α<γまたは「α=γかつβ<δ」のときである。

引数の濃度に対応するcard(α)は任意の順序数αについて定義され、
card(0)=-1
card(α+β)=card(α)
card(φ_α(β))=max(card(α),card(β))
card(ψ_α(β))=α

ψ_γの最大の引数に対応するmaxpsiarg(α,γ)はcard(α)≦γである任意の順序数αについて定義され、
maxpsiarg(0,γ)=-1
maxpsiarg(α+β,γ)=maxpsiarg(α,γ)
maxpsiarg(φ_α(β),γ)=max(maxpsiarg(α,γ),maxpsiarg(β,γ))
α<γのとき、
maxpsiarg(ψ_α(β),γ)=-1
α=γのとき、
maxpsiarg(ψ_α(β),γ)=β

任意の順序数αに対し、-1<αとする。

4.収束列の定義

以下では、α, α'は後続順序数、βは収束列のある極限順序数、
γは収束列のない極限順序数、δ, εは任意の順序数とする。

δ+0=δ、δ+αは後続順序数、δ+βは収束列のある極限順序数、δ+γは収束列のない極限順序数。
φ_0(0)=1は後続順序数、
φ_0(α), φ_α(0), φ_α(α'), φ_β(0), φ_β(α), φ_δ(β)は収束列のある極限順序数、
φ_γ(0), φ_γ(α), φ_δ(γ)は収束列のない極限順序数。
ψ_0(0), ψ_β(0), ψ_δ(α), ψ_δ(β)は収束列のある極限順序数、
ψ_α(0), ψ_γ(0)は収束列のない極限順序数。
δ<card_s(γ)のとき、ψ_δ(γ)は収束列のある極限順序数、
δ≧card_s(γ)のとき、ψ_δ(γ)は収束列のない極限順序数。

前者関数pred(α)は後続順序数αについて定義され、
pred(δ+α)=δ+pred(α)
pred(φ_0(0))=pred(1)=0

収束列β_nは収束列のある極限順序数β、自然数nについて定義され、
{δ+β}_n=δ+β_n
{φ_0(α)}_0=0
{φ_0(α)}_{n+1}=φ_0(pred(α))+{φ_0(α)}_n
{φ_α(0)}_0=0
{φ_α(0)}_{n+1}=φ_{pred(α)}({φ_α(0)}_n)
{φ_α(α')}_0=φ_α(pred(α'))+1
{φ_α(α')}_{n+1}=φ_{pred(α)}({φ_α(α')}_n)
{φ_β(0)}_n=φ_{β_n}(0)
{φ_β(α)}_n=φ_{β_n}(φ_β(pred(α))+1)
{φ_δ(β)}_n=φ_δ(β_n)
{ψ_0(0)}_0=0
{ψ_0(0)}_{n+1}=φ_{{ψ_0(0)}_n}(0)
{ψ_β(0)}_n=ψ_{β_n}(0)
{ψ_δ(α)}_0=ψ_δ(pred(α))+1
{ψ_δ(α)}_{n+1}=φ_{{ψ_δ(α)}_n}(0)
{ψ_δ(β)}_n=ψ_δ(β_n)
δ<card_s(γ)のとき、
{ψ_δ(γ)}'_0=0
{ψ_δ(γ)}'_{n+1}=subst(γ,{ψ_δ(γ)}'_n)
{ψ_δ(γ)}_n=ψ_δ({ψ_δ(γ)}'_n)

subst(γ,δ)は収束列のない極限順序数γ、任意の順序数δについて定義され、
subst(δ+γ,ε)=δ+subst(γ,ε)
subst(φ_γ(0),δ)=φ_{subst(γ,δ)}(0)
subst(φ_γ(α),δ)=φ_{subst(γ,δ)}(φ_γ(pred(α))+1)
subst(φ_δ(γ),ε)=φ_δ(subst(γ,ε))
subst(ψ_α(0),δ)=ψ_{pred(α)}(δ)
subst(ψ_γ(0),δ)=ψ_{subst(γ,δ)}(0)
δ≧card_s(γ)のとき、
subst(ψ_δ(γ),ε)=ψ_δ(subst(γ,ε))

置き換える対象の濃度に対応するcard_s(γ)は収束列のない極限順序数γについて定義され、
card_s(δ+γ)=card_s(γ)
card_s(φ_γ(0))=card_s(γ)
card_s(φ_γ(α))=card_s(γ)
card_s(φ_δ(γ))=card_s(γ)
card_s(ψ_α(0))=α
card_s(ψ_γ(0))=card_s(γ)
δ≧card_s(γ)のとき、
card_s(ψ_δ(γ))=card_s(γ)

上の式を用いて正則でない表記が出てくる場合、正則な表記に書き換える。

H[0](n)=n
H[α](n)=H[pred(α)](n+1)
H[β](n)=H[β_n](n)

Ψ_0=0
Ψ_{n+1}=ψ_{Ψ_n}(0)
として、H[ψ_0(Ψ)](n)を考えると、nについて急激に増加する関数になる。

■ψの定義でVeblen関数を用いない時の定義

ψ_α(β)は、ω_α(α番目の無限基数)より小さい順序数(ただしα=0のときは0のみ)に対して
加法、ψを繰り返し適用しても作ることのできない最小の順序数である。 
ただし、ψの引数はβより小さい順序数でなくてはならない。 

以下では+の結合則を暗黙に用いず、単なる2項演算子として考える。

1.正則な表記の定義

0は正則な表記である。

α+βが正則な表記であるための条件は、
・α, βが正則な表記である
・α=ψ_γ(δ)である
・「β=ψ_γ(δ)かつα≧β」または「β=γ+δかつα≧γ」
の全てを満たすことである。

ψ_α(β)が正則な表記であるための条件は、
・α, βが正則な表記である
・regcheck(β,α,β)=1である
の全てを満たすことである。

2.正則な表記への書き換え
α,β,…は正則な表記であるとする。

0+α=α
α+0=α
(α+β)+γ=α+(β+γ)
α<ψ_γ(δ)のとき、α+ψ_γ(δ)=ψ_γ(δ)
γ+δが正則な表記でα<γのとき、α+(γ+δ)=γ+δ

ψ_γ(δ)の中に現れるαが正則かを表すregcheck(α,γ,δ)は、
regcheck(0,γ,δ)=1
regcheck(α+β,γ,δ)=regcheck(α,γ,δ)*regcheck(β,γ,δ)
α<γのとき、
regcheck(ψ_α(β),γ,δ)=1
α≧γかつβ<δのとき、
regcheck(ψ_α(β),γ,δ)=regcheck(α,γ,δ)*regcheck(β,γ,δ)
α≧γかつβ>δのとき、
regcheck(ψ_α(β),γ,δ)=0
正則な表記でβ=δとなることはない。

ψ_γ(δ)の中に現れるαを正則に書き換えるreg(α,γ,δ)は、
reg(0,γ,δ)=0
regcheck(α,γ,δ)=0のとき、
reg(α+β,γ,δ)=reg(α,γ,δ)
regcheck(α,γ,δ)=1かつregcheck(β,γ,δ)=0のとき、
reg(α+β,γ,δ)=α+reg(β,γ,δ)
regcheck(α,γ,δ)=regcheck(β,γ,δ)=1のとき、
reg(α+β,γ,δ)=α+β
α<γのとき、
reg(ψ_α(β),γ,δ)=ψ_α(β)
α≧γかつβ<δかつregcheck(α,γ,δ)=0のとき、
reg(ψ_α(β),γ,δ)=ψ_{reg(α,γ,δ)}(0)
α≧γかつβ<δかつregcheck(α,γ,δ)=1かつregcheck(β,γ,δ)=0のとき、
reg(ψ_α(β),γ,δ)=ψ_α(reg(β,γ,δ))
α≧γかつβ<δかつregcheck(α,γ,δ)=regcheck(β,γ,δ)=1のとき、
reg(ψ_α(β),γ,δ)=ψ_α(β)
α≧γかつβ>δのとき、
reg(ψ_α(β),γ,δ)=ψ_{α+1}(0)

ψ_α(β)=ψ_α(reg(β,α,β))と書き換えるのを、正則な表記になるまで繰り返す。

3.大小関係の定義
以下で現れる順序数は正則な表記であるとする。

0<α+β, 0<ψ_α(β)である。

α+β<γ+δであるのは、α<γまたは「α=γかつβ<δ」のときである。
α+β<ψ_γ(δ)であるのは、α<ψ_γ(δ)のときである。
α+β>ψ_γ(δ)であるのは、α≧ψ_γ(δ)のときである。

ψ_α(β)<ψ_γ(δ)であるのは、α<γまたは「α=γかつβ<δ」のときである。

4.収束列の定義

以下では、α, α'は後続順序数、βは収束列のある極限順序数、
γは収束列のない極限順序数、δ, εは任意の順序数とする。

δ+0=δ、δ+αは後続順序数、δ+βは収束列のある極限順序数、δ+γは収束列のない極限順序数。
ψ_0(0)=1は後続順序数、
ψ_β(0), ψ_δ(α), ψ_δ(β)は収束列のある極限順序数、
ψ_α(0), ψ_γ(0)は収束列のない極限順序数。
δ<card(γ)のとき、ψ_δ(γ)は収束列のある極限順序数、
δ≧card(γ)のとき、ψ_δ(γ)は収束列のない極限順序数。

前者関数pred(α)は後続順序数αについて定義され、
pred(δ+α)=δ+pred(α)
pred(ψ_0(0))=pred(1)=0

収束列β_nは収束列のある極限順序数β、自然数nについて定義され、
{δ+β}_n=δ+β_n
{ψ_β(0)}_n=ψ_{β_n}(0)
{ψ_δ(α)}_0=0
{ψ_δ(α)}_{n+1}=ψ_δ(pred(α))+{ψ_δ(α)}_n
{ψ_δ(β)}_n=ψ_δ(β_n)
δ<card(γ)のとき、
{ψ_δ(γ)}'_0=0
{ψ_δ(γ)}'_{n+1}=subst(γ,{ψ_δ(γ)}'_n)
{ψ_δ(γ)}_n=ψ_δ({ψ_δ(γ)}'_n)

subst(γ,δ)は収束列のない極限順序数γ、任意の順序数δについて定義され、
subst(δ+γ,ε)=δ+subst(γ,ε)
subst(ψ_α(0),δ)=ψ_{pred(α)}(δ)
subst(ψ_γ(0),δ)=ψ_{subst(γ,δ)}(0)
δ≧card(γ)のとき、
subst(ψ_δ(γ),ε)=ψ_δ(subst(γ,ε))

置き換える対象の濃度に対応するcard(γ)は収束列のない極限順序数γについて定義され、
card(δ+γ)=card(γ)
card(ψ_α(0))=α
card(ψ_γ(0))=card(γ)
δ≧card(γ)のとき、
card(ψ_δ(γ))=card(γ)

上の式を用いて正則でない表記が出てくる場合、正則な表記に書き換える。

H[0](n)=n
H[α](n)=H[pred(α)](n+1)
H[β](n)=H[β_n](n)

Ψ_0=0
Ψ_{n+1}=ψ_{Ψ_n}(0)
として、H[ψ_0(Ψ)](n)を考えると、nについて急激に増加する関数になる。

■2種類の関数ψ、Ωを用いた定義
厳密性に欠けるが、以下の性質を満たす順序数αを考える。
「β<αを満たす任意の順序数βから(以下で定義する関数ω2_βを使わずに)作られる順序数γについて、γ<αが成り立つ」
そのような順序数αのうち小さい方からβ番目のものをω2_βと表すことにする。
ω2_0は、0に対し写像α→ω_αを繰り返し適用して作れる順序数の上限とする。

ψ_α(β)は、ω_α(α番目の無限基数)より小さい順序数(ただしα=0のときは0のみ)に対して
加法、ψ、ψ_α、Ωを繰り返し適用しても作ることのできない最小の順序数である。
ただし、ψ、Ωの引数はβより小さい順序数でなくてはならない。

Ω_α(β)は、ω2_αより小さい順序数に対して加法、ψ、Ωを適用したり、
γ<ω2_(α+1)を満たすγからδ<γを満たす任意の順序数δを得ることを繰り返しても
作ることのできない最小の順序数である。
ただし、ψ、Ωの引数はβより小さい順序数でなくてはならない。

ω2_βがきちんと定義されていないという問題があるが、以下のように具体的にψ、Ωを定義することはできる。

1.正則な表記の定義

0は正則な表記である。

α+βが正則な表記であるための条件は、
・α, βが正則な表記である
・α=ψ_γ(δ)またはΩ_γ(δ)である
・「『β=ψ_γ(δ)またはβ=Ω_γ(δ)』かつα≧β」または「β=γ+δかつα≧γ」
の全てを満たすことである。

ψ_α(β)が正則な表記であるための条件は、
・α, βが正則な表記である
・regc_p(β,α,β)=1である
・「α=Ω_γ(δ)かつβ=0」でない
の全てを満たすことである。

Ω_α(β)が正則な表記であるための条件は、
・α, βが正則な表記である
・regc_o(β,α,β)=1である
の全てを満たすことである。

2.正則な表記への書き換え
α,β,…は正則な表記であるとする。

0+α=α
α+0=α
(α+β)+γ=α+(β+γ)
α<ψ_γ(δ)のとき、α+ψ_γ(δ)=ψ_γ(δ)
α<Ω_γ(δ)のとき、α+Ω_γ(δ)=Ω_γ(δ)
γ+δが正則な表記でα<γのとき、α+(γ+δ)=γ+δ
ψ_{Ω_γ(δ)}(0)=Ω_γ(δ)

ψ_γ(δ)の中に現れるαが正則かを表すregc_p(α,γ,δ)は、
regc_p(0,γ,δ)=1
regc_p(α+β,γ,δ)=regc_p(α,γ,δ)*regc_p(β,γ,δ)
α<γのとき、
regc_p(ψ_α(β),γ,δ)=1
α=γかつβ<δのとき、
regc_p(ψ_α(β),γ,δ)=regc_p(β,γ,δ)
α>γかつβ<δのとき、
regc_p(ψ_α(β),γ,δ)=regc_p(α,γ,δ)*regc_p(β,γ,δ)
α≧γかつβ>δのとき、
regc_p(ψ_α(β),γ,δ)=0
Ω_α(β)≦γのとき、
regc_p(Ω_α(β),γ,δ)=1
Ω_α(β)>γかつβ<δのとき、
regc_p(Ω_α(β),γ,δ)=regc_p(α,γ,δ)*regc_p(β,γ,δ)
Ω_α(β)>γかつβ>δのとき、
regc_p(Ω_α(β),γ,δ)=0
正則な表記でβ=δとなることはない。

ψ_γ(δ)の中に現れるαを正則に書き換えるreg_p(α,γ,δ)は、
reg_p(0,γ,δ)=0
regc_p(α,γ,δ)=0のとき、
reg_p(α+β,γ,δ)=reg_p(α,γ,δ)
regc_p(α,γ,δ)=1かつregc_p(β,γ,δ)=0のとき、
reg_p(α+β,γ,δ)=α+reg_p(β,γ,δ)
regc_p(α,γ,δ)=regc_p(β,γ,δ)=1のとき、
reg_p(α+β,γ,δ)=α+β
α<γのとき、
reg_p(ψ_α(β),γ,δ)=ψ_α(β)
α=γかつβ<δかつregc_p(β,γ,δ)=0のとき、
reg_p(ψ_α(β),γ,δ)=ψ_α(reg_p(β,γ,δ))
α=γかつβ<δかつregc_p(β,γ,δ)=1のとき、
reg_p(ψ_α(β),γ,δ)=ψ_α(β)
α>γかつβ<δかつregc_p(α,γ,δ)=0のとき、
reg_p(ψ_α(β),γ,δ)=ψ_{reg_p(α,γ,δ)}(0)
α>γかつβ<δかつregc_p(α,γ,δ)=1かつregc_p(β,γ,δ)=0のとき、
reg_p(ψ_α(β),γ,δ)=ψ_α(reg_p(β,γ,δ))
α>γかつβ<δかつregc_p(α,γ,δ)=regc_p(β,γ,δ)=1のとき、
reg_p(ψ_α(β),γ,δ)=ψ_α(β)
α≧γかつβ>δのとき、
reg_p(ψ_α(β),γ,δ)=ψ_{α+1}(0)
Ω_α(β)≦γのとき、
reg_p(Ω_α(β),γ,δ)=Ω_α(β)
Ω_α(β)>γかつβ<δかつregc_p(α,γ,δ)=0のとき、
reg_p(Ω_α(β),γ,δ)=Ω_{reg_p(α,γ,δ)}(0)
Ω_α(β)>γかつβ<δかつregc_p(α,γ,δ)=1かつregc_p(β,γ,δ)=0のとき、
reg_p(Ω_α(β),γ,δ)=Ω_α(reg_p(β,γ,δ))
Ω_α(β)>γかつβ<δかつregc_p(α,γ,δ)=regc_p(β,γ,δ)=1のとき、
reg_p(Ω_α(β),γ,δ)=Ω_α(β)
Ω_α(β)>γかつβ>δのとき、
reg_p(Ω_α(β),γ,δ)=Ω_{α+1}(0)

ψ_α(β)=ψ_α(reg_p(β,α,β))と書き換えるのを、正則な表記になるまで繰り返す。

Ω_γ(δ)の中に現れるαが正則かを表すregc_o(α,γ,δ)は、
regc_o(0,γ,δ)=1
regc_o(α+β,γ,δ)=regc_o(α,γ,δ)*regc_o(β,γ,δ)
α<Ω_γ(0)または「α<Ω_{γ+1}(0)かつmaxarg(α)<δ」のとき、
regc_o(ψ_α(β),γ,δ)=1
α≧Ω_γ(0)かつ、「α<Ω_{γ+1}(0)かつmaxarg(α)<δ」でなく、
 β<δのとき、
 regc_o(ψ_α(β),γ,δ)=regc_o(α,γ,δ)*regc_o(β,γ,δ)
 β>δのとき、
 regc_o(ψ_α(β),γ,δ)=0
α<γのとき、
regc_o(Ω_α(β),γ,δ)=1
α≧γかつβ<δのとき、
regc_o(Ω_α(β),γ,δ)=regc_o(α,γ,δ)*regc_o(β,γ,δ)
α≧γかつβ>δのとき、
regc_o(Ω_α(β),γ,δ)=0
正則な表記でβ=δとなることはない。

Ω_γ(δ)の中に現れるαを正則に書き換えるreg_o(α,γ,δ)は、
reg_o(0,γ,δ)=0
regc_o(α,γ,δ)=0のとき、
reg_o(α+β,γ,δ)=reg_o(α,γ,δ)
regc_o(α,γ,δ)=1かつregc_o(β,γ,δ)=0のとき、
reg_o(α+β,γ,δ)=α+reg_o(β,γ,δ)
regc_o(α,γ,δ)=regc_o(β,γ,δ)=1のとき、
reg_o(α+β,γ,δ)=α+β
α<Ω_γ(0)または「α<Ω_{γ+1}(0)かつmaxarg(α)<δ」のとき、
reg_o(ψ_α(β),γ,δ)=ψ_α(β)
α≧Ω_γ(0)かつ、「α<Ω_{γ+1}(0)かつmaxarg(α)<δ」でなく、
 β<δかつregc_o(α,γ,δ)=0のとき、
 reg_o(ψ_α(β),γ,δ)=ψ_{reg_o(α,γ,δ)}(0)
 β<δかつregc_o(α,γ,δ)=1かつregc_o(β,γ,δ)=0のとき、
 reg_o(ψ_α(β),γ,δ)=ψ_α(reg_o(β,γ,δ))
 β<δかつregc_o(α,γ,δ)=regc_o(β,γ,δ)=1のとき、
 reg_o(ψ_α(β),γ,δ)=ψ_α(β)
 β>δのとき、
 reg_o(ψ_α(β),γ,δ)=ψ_{α+1}(0)
α<γのとき、
reg_o(Ω_α(β),γ,δ)=Ω_α(β)
α≧γかつβ<δかつregc_o(α,γ,δ)=0のとき、
reg_o(Ω_α(β),γ,δ)=Ω_{reg_o(α,γ,δ)}(0)
α≧γかつβ<δかつregc_o(α,γ,δ)=1かつregc_o(β,γ,δ)=0のとき、
reg_o(Ω_α(β),γ,δ)=Ω_α(reg_o(β,γ,δ))
α≧γかつβ<δかつregc_o(α,γ,δ)=regc_o(β,γ,δ)=1のとき、
reg_o(Ω_α(β),γ,δ)=Ω_α(β)
α≧γかつβ>δのとき、
reg_o(Ω_α(β),γ,δ)=Ω_{α+1}(0)

Ω_α(β)=Ω_α(reg_o(β,α,β))と書き換えるのを、正則な表記になるまで繰り返す。

αの中の、添字が最大であるΩの最大の引数maxarg(α)は、
maxarg(0)=-1
maxarg(α+β)=maxarg(α)
maxarg(ψ_α(β))=maxarg(α)
maxarg(Ω_α(β))=β

任意の順序数αに対し、-1<αとする。

3.大小関係の定義
以下で現れる順序数は正則な表記であるとする。

0<α+β, 0<ψ_α(β), 0<Ω_α(β)である。

α+β<γ+δであるのは、α<γまたは「α=γかつβ<δ」のときである。
α+β<ψ_γ(δ)であるのは、α<ψ_γ(δ)のときである。
α+β>ψ_γ(δ)であるのは、α≧ψ_γ(δ)のときである。
α+β<Ω_γ(δ)であるのは、α<Ω_γ(δ)のときである。
α+β>Ω_γ(δ)であるのは、α≧Ω_γ(δ)のときである。

ψ_α(β)<ψ_γ(δ)であるのは、α<γまたは「α=γかつβ<δ」のときである。
ψ_α(β)<Ω_γ(δ)であるのは、α<Ω_γ(δ)のときである。
ψ_α(β)>Ω_γ(δ)であるのは、α≧Ω_γ(δ)のときである。
Ω_α(β)<Ω_γ(δ)であるのは、α<γまたは「α=γかつβ<δ」のときである。

4.収束列の定義

以下では、α, α'は後続順序数、βは収束列のある極限順序数、
γは収束列のない極限順序数、δ, εは任意の順序数とする。

δ+0=δ、δ+αは後続順序数、δ+βは収束列のある極限順序数、δ+γは収束列のない極限順序数。

ψ_0(0)=1は後続順序数、
ψ_β(0), ψ_δ(α), ψ_δ(β)は収束列のある極限順序数、
ψ_α(0), ψ_γ(0)は収束列のない極限順序数。
「subst_type(γ)=0かつδ<card(γ)」または
「subst_type(γ)=1かつδ<Ω_{card(γ)}(0)」のとき、
ψ_δ(γ)は収束列のある極限順序数、
「subst_type(γ)=0かつδ≧card(γ)」または
「subst_type(γ)=1かつδ≧Ω_{card(γ)}(0)」のとき、
ψ_δ(γ)は収束列のない極限順序数。

Ω_0(0), Ω_β(0), Ω_δ(α), Ω_δ(β)は収束列のある極限順序数、
Ω_α(0), Ω_γ(0)は収束列のない極限順序数。
「subst_type(γ)=0かつΩ_δ(0)<card(γ)かつ、『card(γ)<Ω_{δ+1}(0)かつmaxarg(card(γ))<γ』でない」または
「subst_type(γ)=1かつδ<card(γ)」のとき、
Ω_δ(γ)は収束列のある極限順序数、
「subst_type(γ)=0かつΩ_δ(0)≧card(γ)」または
「subst_type(γ)=0かつcard(γ)<Ω_{δ+1}(0)かつmaxarg(card(γ))<γ」または
「subst_type(γ)=1かつδ≧card(γ)」のとき、
Ω_δ(γ)は収束列のない極限順序数。

前者関数pred(α)は後続順序数αについて定義され、
pred(δ+α)=δ+pred(α)
pred(ψ_0(0))=pred(1)=0

収束列β_nは収束列のある極限順序数β、自然数nについて定義され、
{δ+β}_n=δ+β_n
{ψ_β(0)}_n=ψ_{β_n}(0)
{ψ_δ(α)}_0=0
{ψ_δ(α)}_{n+1}=ψ_δ(pred(α))+{ψ_δ(α)}_n
{ψ_δ(β)}_n=ψ_δ(β_n)
subst_type(γ)=0かつδ<card(γ)のとき、
{ψ_δ(γ)}'_0=0
{ψ_δ(γ)}'_{n+1}=subst(γ,ψ_{pred(card(γ))}({ψ_δ(γ)}'_n))
{ψ_δ(γ)}_n=ψ_δ({ψ_δ(γ)}'_n)
subst_type(γ)=1かつδ<Ω_{pred(card(γ))}(γ)のとき、
{ψ_δ(γ)}'_0=0
{ψ_δ(γ)}'_{n+1}=subst(γ,Ω_{pred(card(γ))}({ψ_δ(γ)}'_n))
{ψ_δ(γ)}_n=ψ_δ({ψ_δ(γ)}'_n)
subst_type(γ)=1かつΩ_{pred(card(γ))}(γ)≦δ<Ω_{card(γ)}(0)のとき、
{ψ_δ(γ)}'_0=ψ_δ(0)+1
{ψ_δ(γ)}'_{n+1}=ψ_{{ψ_δ(γ)}'_n}(0)
{ψ_δ(γ)}_n=ψ_δ(subst(γ,{ψ_δ(γ)}'_n))
{Ω_0(0)}_0=0
{Ω_0(0)}_{n+1}=ψ_{{Ω_0(0)}_n}(0)
{Ω_β(0)}_n=Ω_{β_n}(0)
{Ω_δ(α)}_0=Ω_δ(pred(α))+1
{Ω_δ(α)}_{n+1}=ψ_{{Ω_δ(α)}_n}(0)
{Ω_δ(β)}_n=Ω_δ(β_n)
subst_type(γ)=0かつΩ_δ(0)<card(γ)かつ、「card(γ)<Ω_{δ+1}(0)かつmaxarg(card(γ))<γ」でないとき、
{Ω_δ(γ)}'_0=0
{Ω_δ(γ)}'_{n+1}=subst(γ,ψ_{pred(card(γ))}({Ω_δ(γ)}'_n))
{Ω_δ(γ)}_n=Ω_δ({Ω_δ(γ)}'_n)
subst_type(γ)=1かつδ<card(γ)のとき、
{Ω_δ(γ)}'_0=0
{Ω_δ(γ)}'_{n+1}=subst(γ,Ω_{pred(card(γ))}({Ω_δ(γ)}'_n))
{Ω_δ(γ)}_n=Ω_δ({Ω_δ(γ)}'_n)

subst(γ,δ)は収束列のない極限順序数γ、任意の順序数δについて定義され、
subst(δ+γ,ε)=δ+subst(γ,ε)
subst(ψ_α(0),δ)=δ
subst(ψ_γ(0),δ)=ψ_{subst(γ,δ)}(0)
「subst_type(γ)=0かつδ≧card(γ)」または
「subst_type(γ)=1かつδ≧Ω_{card(γ)}(0)」のとき、
subst(ψ_δ(γ),ε)=ψ_δ(subst(γ,ε))
subst(Ω_α(0),δ)=δ
subst(Ω_γ(0),δ)=Ω_{subst(γ,δ)}(0)
「subst_type(γ)=0かつΩ_δ(0)≧card(γ)」または
「subst_type(γ)=0かつcard(γ)<Ω_{δ+1}(0)かつmaxarg(card(γ))<γ」または
「subst_type(γ)=1かつδ≧card(γ)」のとき、
subst(Ω_δ(γ),ε)=Ω_δ(subst(γ,ε))

置き換える対象の濃度に対応するcard(γ)は収束列のない極限順序数γについて定義され、
card(δ+γ)=card(γ)
card(ψ_α(0))=α
card(ψ_γ(0))=card(γ)
「subst_type(γ)=0かつδ≧card(γ)」または
「subst_type(γ)=1かつδ≧Ω_{card(γ)}(0)」のとき、
card(ψ_δ(γ))=card(γ)
card(Ω_α(0))=α
card(Ω_γ(0))=card(γ)
「subst_type(γ)=0かつΩ_δ(0)≧card(γ)」または
「subst_type(γ)=0かつcard(γ)<Ω_{δ+1}(0)かつmaxarg(card(γ))<γ」または
「subst_type(γ)=1かつδ≧card(γ)」のとき、
card(Ω_δ(γ))=card(γ)

置き換える対象の種類を表すsubst_type(γ)は収束列のない極限順序数γについて定義され、
subst_type(δ+γ)=subst_type(γ)
subst_type(ψ_α(0))=0
subst_type(ψ_γ(0))=subst_type(γ)
「subst_type(γ)=0かつδ≧card(γ)」または
「subst_type(γ)=1かつδ≧Ω_{card(γ)}(0)」のとき、
subst_type(ψ_δ(γ))=subst_type(γ)
subst_type(Ω_α(0))=1
subst_type(Ω_γ(0))=subst_type(γ)
「subst_type(γ)=0かつΩ_δ(0)≧card(γ)」または
「subst_type(γ)=0かつcard(γ)<Ω_{δ+1}(0)かつmaxarg(card(γ))<γ」または
「subst_type(γ)=1かつδ≧card(γ)」のとき、
subst_type(Ω_δ(γ))=subst_type(γ)

上の式を用いて正則でない表記が出てくる場合、正則な表記に書き換える。

H[0](n)=n
H[α](n)=H[pred(α)](n+1)
H[β](n)=H[β_n](n)

Ψ_0=0
Ψ_{n+1}=Ω_{Ψ_n}(0)
として、H[ψ_0(Ψ)](n)を考えると、nについて急激に増加する関数になる。

■三変数ψの定義
ω_β=ω(0,β)、ω2_β=ω(1,β)として、同様にω(α,β)というものを考える。ただし、ω(0,0)=1とする。
ω(α,0)は、0に対し写像β→ω(α',β)(α'<α)を繰り返し適用して作れる順序数の上限とする。
ψ_α(β)=ψ(0,α,β)、Ω_α(β)=ψ(1,α,β)として、ψを三変数に拡張する。

ψ(α,β,γ)は、ω(α,β)より小さい順序数に対して加法、ψを適用したり、
δ<ω(α,β+1)を満たすδからε<δを満たす任意の順序数εを得ることを繰り返しても
作ることのできない最小の順序数である。
ただし、ψ(α',β',γ')を用いるときはγ>γ'でなくてはならない。
また、α, βを作ることができなくともψ(α,β,γ')を用いてよい。

やはり上の定義はきちんとしたものではないが、以下のように具体的にψを定義することはできる。

1.正則な表記の定義

0は正則な表記である。

α+βが正則な表記であるための条件は、
・α, βが正則な表記である
・α=ψ(γ,δ,ε)である
・「β=ψ(γ,δ,ε)かつα≧β」または「β=γ+δかつα≧γ」
の全てを満たすことである。

ψ(α,β,γ)が正則な表記であるための条件は、
・α, β, γが正則な表記である
・regc(γ,α,β,γ)=1である
・「β=ψ(α',β',γ')かつα<α'かつγ=0」でない
の全てを満たすことである。

2.正則な表記への書き換え
α,β,…は正則な表記であるとする。

0+α=α
α+0=α
(α+β)+γ=α+(β+γ)
α<ψ(γ,δ,ε)のとき、α+ψ(γ,δ,ε)=ψ(γ,δ,ε)
γ+δが正則な表記でα<γのとき、α+(γ+δ)=γ+δ
α<α'のとき、ψ(α,ψ(α',β',γ'),0)=ψ(α',β',γ')

ψ(α',β',γ')のγ'の中に現れるαが正則かを表すregc(α,α',β',γ')は、
regc(0,α',β',γ')=1
regc(α+β,α',β',γ')=regc(α,α',β',γ')*regc(β,α',β',γ')
α=α'かつβ=β'かつγ<γ'のとき、
regc(ψ(α,β,γ),α',β',γ')=regc(γ,α',β',γ')
α>α'かつψ(α,β,γ)=β'のとき、
regc(ψ(α,β,γ),α',β',γ')=1
「α=α'かつβ=β'かつγ<γ'」でなく、「α>α'かつψ(α,β,γ)=β'」でなく、
 ψ(α,β,γ)<ψ(α',β',0)または「α<α'かつψ(α,β,γ)<ψ(α',β'+1,0)かつmaxarg(β,α')<γ'」のとき
 regc(ψ(α,β,γ),α',β',γ')=1
 ψ(α,β,γ)≧ψ(α',β',0)かつ、「α<α'かつψ(α,β,γ)<ψ(α',β'+1,0)かつmaxarg(β,α')<γ'」でなく、γ<γ'のとき
 regc(ψ(α,β,γ),α',β',γ')=regc(α,α',β',γ')*regc(β,α',β',γ')*regc(γ,α',β',γ')
 ψ(α,β,γ)≧ψ(α',β',0)かつ、「α<α'かつψ(α,β,γ)<ψ(α',β'+1,0)かつmaxarg(β,α')<γ'」でなく、γ>γ'のとき
 regc(ψ(α,β,γ),α',β',γ')=0
正則な表記でγ=γ'となることはない。

ψ(α',β',γ')のγ'の中に現れるαを正則に書き換えるreg(α,α',β',γ')は、
reg(0,α',β',γ')=0
regc(α,α',β',γ')=0のとき、
reg(α+β,α',β',γ')=reg(α,α',β',γ')
regc(α,α',β',γ')=1かつregc(β,α',β',γ')=0のとき、
reg(α+β,α',β',γ')=α+reg(β,α',β',γ')
regc(α,α',β',γ')=regc(β,α',β',γ')=1のとき、
reg(α+β,α',β',γ')=α+β
α=α'かつβ=β'かつγ<γ'かつregc(γ,α',β',γ')=0のとき、
reg(ψ(α,β,γ),α',β',γ')=ψ_(α,β,reg(γ,α',β',γ'))
α=α'かつβ=β'かつγ<γ'かつregc(γ,α',β',γ')=1のとき、
reg(ψ(α,β,γ),α',β',γ')=ψ(α,β,γ)
α>α'かつψ(α,β,γ)=β'のとき、
reg(ψ(α,β,γ),α',β',γ')=ψ(α,β,γ)
「α=α'かつβ=β'かつγ<γ'」でなく、「α>α'かつψ(α,β,γ)=β'」でなく、
 ψ(α,β,γ)<ψ(α',β',0)または「α<α'かつψ(α,β,γ)<ψ(α',β'+1,0)かつmaxarg(β,α')<γ'」のとき
 reg(ψ(α,β,γ),α',β',γ')=ψ(α,β,γ)
 ψ(α,β,γ)≧ψ(α',β',0)かつ、「α<α'かつψ(α,β,γ)<ψ(α',β'+1,0)かつmaxarg(β,α')<γ'」でなく、
  γ<γ'かつregc(α,α',β',γ')=0のとき
  reg(ψ(α,β,γ),α',β',γ')=ψ(reg(α,α',β',γ'),0,0)
  γ<γ'かつregc(α,α',β',γ')=1かつregc(β,α',β',γ')=0のとき
  reg(ψ(α,β,γ),α',β',γ')=ψ(α,reg(β,α',β',γ'),0)
  γ<γ'かつregc(α,α',β',γ')=regc(β,α',β',γ')=1かつregc(γ,α',β',γ')=0のとき
  reg(ψ(α,β,γ),α',β',γ')=ψ(α,β,reg(γ,α',β',γ'))
  かつγ<γ'かつregc(α,α',β',γ')=regc(β,α',β',γ')=regc(γ,α',β',γ')=1のとき
  reg(ψ(α,β,γ),α',β',γ')=ψ(α,β,γ)
  かつγ>γ'のとき
  reg(ψ(α,β,γ),α',β',γ')=ψ(α,β+1,0)

ψ(α,β,γ)=ψ(α,β,reg(γ,α,β,γ))と書き換えるのを、正則な表記になるまで繰り返す。

αの中の、第二引数が最大であるψ(δ,ε,ζ)の最大の第三引数maxarg(α,δ)は、
maxarg(0,δ)=-1
maxarg(α+β,δ)=maxarg(α,δ)
α<δのとき、
maxarg(ψ(α,β,γ),δ)=maxarg(β,δ)
α=δのとき、
maxarg(ψ(α,β,γ),δ)=γ
α>δのとき、
maxarg(ψ(α,β,γ),δ)=0

任意の順序数αに対し、-1<αとする。

3.大小関係の定義
以下で現れる順序数は正則な表記であるとする。

0<α+β, 0<ψ(α,β,γ)である。

α+β<γ+δであるのは、α<γまたは「α=γかつβ<δ」のときである。
α+β<ψ(γ,δ,ε)であるのは、α<ψ(γ,δ,ε)のときである。
α+β>ψ(γ,δ,ε)であるのは、α≧ψ(γ,δ,ε)のときである。

ψ(α,β,γ)<ψ(α',β',γ')であるのは、
・α=α'かつβ<β'
・α=α'かつβ=β'かつγ<γ'
・α<α'かつβ<ψ(α',β',γ')
・α>α'かつψ(α,β,γ)≦β'
のいずれかを満たすときである。

4.収束列の定義

以下では、α, α'は後続順序数、βは収束列のある極限順序数、
γは収束列のない極限順序数、δ, ε, ζ, ηは任意の順序数とする。

δ+0=δ、δ+αは後続順序数、δ+βは収束列のある極限順序数、δ+γは収束列のない極限順序数。

ψ(0,0,0)=1は後続順序数、
ψ(0,δ,α), ψ(α,0,0), ψ(α,δ,α'), ψ(β,0,0), 
ψ(β,δ,α), ψ(δ,β,0), ψ(δ,ε,β)は収束列のある極限順序数、
ψ(γ,0,0), ψ(γ,δ,α), ψ(δ,α,0), ψ(δ,γ,0)は収束列のない極限順序数。
ψ(δ,ε,0)<ψ(subst_arg1(γ),subst_arg2(γ),0)かつ、
「δ>subst_arg1(γ)かつψ(δ,ε+1,0)>ψ(subst_arg1(γ),subst_arg2(γ),0)かつ
maxarg(subst_arg2(γ),δ)<γ」でなく
「δ<subst_arg1(γ)かつψ(subst_arg1(γ),pred(subst_arg2(γ)),γ)≦εかつ
subst_arg1(γ)が収束列のない極限順序数」でないとき、ψ(δ,ε,γ)は収束列のある極限順序数、
ψ(δ,ε,0)≧ψ(subst_arg1(γ),subst_arg2(γ),0)または
「δ>subst_arg1(γ)かつψ(δ,ε+1,0)>ψ(subst_arg1(γ),subst_arg2(γ),0)かつ
maxarg(subst_arg2(γ),δ)<γ」または
「δ<subst_arg1(γ)かつψ(subst_arg1(γ),pred(subst_arg2(γ)),γ)≦εかつ
subst_arg1(γ)が収束列のない極限順序数」のとき、ψ(δ,ε,γ)は収束列のない極限順序数。

前者関数pred(α)は後続順序数αについて定義され、
pred(δ+α)=δ+pred(α)
pred(ψ(0,0,0))=pred(1)=0

収束列β_nは収束列のある極限順序数β、自然数nについて定義され、
{δ+β}_n=δ+β_n
{ψ(0,δ,α)}_0=0
{ψ(0,δ,α)}_{n+1}=ψ(0,δ,pred(α))+{ψ(0,δ,α)}_n
{ψ(α,0,0)}_0=0
{ψ(α,0,0)}_{n+1}=ψ(pred{α},{ψ(α,0,0)}_n,0)
{ψ(α,δ,α')}_0=ψ(α,δ,pred{α'})+1
{ψ(α,δ,α')}_{n+1}=ψ(pred{α},{ψ(α,δ,α')}_n,0)
{ψ(β,0,0)}_n=ψ(β_n,0,0)
{ψ(β,δ,α)}_n=ψ(β_n,ψ(β,δ,pred{α})+1,0)
{ψ(δ,β,0)}_n=ψ(δ,β_n,0)
{ψ(δ,ε,β)}_n=ψ(δ,ε,β_n)

「δ≧subst_arg1(γ)かつψ(δ,ε,0)<ψ(subst_arg1(γ),subst_arg2(γ),0)かつ、
『δ>subst_arg1(γ)かつψ(δ,ε+1,0)>ψ(subst_arg1(γ),subst_arg2(γ),0)かつ
maxarg(subst_arg2(γ),δ)<γ』でない」または
「δ<subst_arg1(γ)かつε<ψ(subst_arg1(γ),pred(subst_arg2(γ)),γ)」のとき、
{ψ(δ,ε,γ)}'_0=0
{ψ(δ,ε,γ)}'_{n+1}=subst(γ,ψ(subst_arg1(γ),pred(subst_arg2(γ)),{ψ(δ,ε,γ)}'_n))
{ψ(δ,ε,γ)}_n=ψ(δ,ε,{ψ(δ,ε,γ)}'_n)
δ<subst_arg1(γ)かつψ(subst_arg1(γ),pred(subst_arg2(γ)),γ)≦ε<ψ(subst_arg1(γ),subst_arg2(γ),0)かつ、
 subst_arg1(γ)が後続順序数のとき、
 {ψ(δ,ε,γ)}'_0=ψ(δ,ε,0)+1
 {ψ(δ,ε,γ)}'_{n+1}=ψ(pred(subst_arg1(γ)),{ψ(δ,ε,γ)}'_n,0)
 {ψ(δ,ε,γ)}_n=ψ(δ,ε,subst(γ,{ψ(δ,ε,γ)}'_n))
 subst_arg1(γ)が収束列のある極限順序数のとき、
 {ψ(δ,ε,γ)}_n=ψ(δ,ε,subst(γ,ψ({subst_arg1(γ)}_n,ψ(δ,ε,0)+1,0)))

subst(γ,δ)は収束列のない極限順序数γ、任意の順序数δについて定義され、
subst(δ+γ,ε)=δ+subst(γ,ε)
subst(ψ(γ,0,0),δ)=ψ(subst(γ,δ),0,0)
subst(ψ(γ,δ,α),ε)=ψ(subst(γ,ε),ψ(γ,δ,pred(α))+1,0)
subst(ψ(δ,α,0),ε)=ε
subst(ψ(δ,γ,0),ε)=ψ(δ,subst(γ,ε),0)
ψ(δ,ε,0)≧ψ(subst_arg1(γ),subst_arg2(γ),0)または
「δ>subst_arg1(γ)かつψ(δ,ε+1,0)>ψ(subst_arg1(γ),subst_arg2(γ),0)かつ
maxarg(subst_arg2(γ),δ)<γ」のとき、
subst(ψ(δ,ε,γ),ζ)=ψ(δ,ε,subst(γ,ζ))
δ<subst_arg1(γ)かつψ(subst_arg1(γ),pred(subst_arg2(γ)),γ)≦ε<ψ(subst_arg1(γ),subst_arg2(γ),0)かつ
subst_arg1(γ)が収束列のない極限順序数のとき、
subst(ψ(δ,ε,γ),ζ)=ψ(δ,ε,subst(γ,ψ(subst(subst_arg1(γ),ζ),ψ(δ,ε,0)+1,0)))

置き換える対象の第一引数を表すsubst_arg1(γ)は収束列のない極限順序数γについて定義され、
subst_arg1(δ+γ)=subst_arg1(γ)
subst_arg1(ψ(γ,0,0))=subst_arg1(γ)
subst_arg1(ψ(γ,δ,α))=subst_arg1(γ)
subst_arg1(ψ(δ,α,0))=δ
subst_arg1(ψ(δ,γ,0))=subst_arg1(γ)
ψ(δ,ε,0)≧ψ(subst_arg1(γ),subst_arg2(γ),0)または
「δ>subst_arg1(γ)かつψ(δ,ε+1,0)>ψ(subst_arg1(γ),subst_arg2(γ),0)かつ
maxarg(subst_arg2(γ),δ)<γ」のとき、
subst_arg1(ψ(δ,ε,γ))=subst_arg1(γ)
δ<subst_arg1(γ)かつψ(subst_arg1(γ),pred(subst_arg2(γ)),γ)≦ε<ψ(subst_arg1(γ),subst_arg2(γ),0)かつ
subst_arg1(γ)が収束列のない極限順序数のとき、
subst_arg1(ψ(δ,ε,γ))=subst_arg1(subst_arg1(γ))

置き換える対象の第二引数を表すsubst_arg2(γ)は収束列のない極限順序数γについて定義され、
subst_arg2(δ+γ)=subst_arg2(γ)
subst_arg2(ψ(γ,0,0))=subst_arg2(γ)
subst_arg2(ψ(γ,δ,α))=subst_arg2(γ)
subst_arg2(ψ(δ,α,0))=α
subst_arg2(ψ(δ,γ,0))=subst_arg2(γ)
ψ(δ,ε,0)≧ψ(subst_arg1(γ),subst_arg2(γ),0)または
「δ>subst_arg1(γ)かつψ(δ,ε+1,0)>ψ(subst_arg1(γ),subst_arg2(γ),0)かつ
maxarg(subst_arg2(γ),δ)<γ」のとき、
subst_arg2(ψ(δ,ε,γ))=subst_arg2(γ)
δ<subst_arg1(γ)かつψ(subst_arg1(γ),pred(subst_arg2(γ)),γ)≦ε<ψ(subst_arg1(γ),subst_arg2(γ),0)かつ
subst_arg1(γ)が収束列のない極限順序数のとき、
subst_arg2(ψ(δ,ε,γ))=subst_arg2(subst_arg1(γ))

上の式を用いて正則でない表記が出てくる場合、正則な表記に書き換える。

H[0](n)=n
H[α](n)=H[pred(α)](n+1)
H[β](n)=H[β_n](n)

Ψ_0=0
Ψ_{n+1}=ψ(Ψ_n,0,0)
として、H[ψ(0,0,Ψ)](n)を考えると、nについて急激に増加する関数になる。